光り輝く、君のモーメント

光のように眩い君が

 

昔から、自分の部分を欠点を、自分と相手を比較しては自身の劣っている部分を探して生きることしか出来なかった。人前で話すことはもちろん、誰かにカメラを向けられることや、写真の中で笑うことも苦手だった。私はきっと、いつでも無邪気に笑う君が、ほんの少しだけ羨ましかったのかもしれない。これは、こんな思考しか持ち合わせていなかった私の狭い狭い世界を色付けて変えてくれた、君の話。

 

幼稚園、5歳の時のお遊戯会。私はじゃんけんで負けて主役だった。物心ついた頃、すでに私の思考はマイナスなもので、魔女の衣装がキラキラしていて『とっても素敵だよ』と褒めてくれた先生の言葉を受けても、何が良いのかさっぱり分からなかった。本番は、自身に向けられる沢山の目が怖くて泣きながら台詞を叫んでいた記憶がある。振り返ってみれば、自分でも可愛げの無い子供だったと思うし、恐らく思考が捻くれていたのだと思う。何より私は、外で走り回るよりも本を読みなさい、自転車に乗るよりもピアノを弾きなさい、と教え込まれていたこの窮屈な世界が嫌いで嫌いで堪らなかった。

 

窮屈な世界でのみ生き続けて16年、友人から頂いた1枚のチケットと共に私は素敵な世界へと足を運んだ。あれは夏の話だった。あの日は生憎の雨で手元に傘も無く、コンビニに駆け込み安いビニール傘を購入した。考えてみれば『今までの私とさよなら』する為の雨だったのかもしれない。

キラキラした世界は、私の五感全てを刺激した。無数の光。会場に溢れかえる笑顔。何よりも甘ったるい君の声。どこを切り取っても素敵で、家に閉じこもっていたらきっと一生知らなかった世界線で笑顔の君と出会えた。脳裏に焼き付いたあの日の記憶と景色は今でも目を瞑れば目の前に広がる。

 

私が苦しかった時、悲しかった時。救ってくれたのは君の笑顔だった。諦めがちな私の性格をも変えてくれたのも、泣き虫だった私を変えてくれたのも、いつだって君だった。いつも貰ってばかりで返すことが出来ない。君が苦しかった時や悲しかった時、私が救うことが出来るのだろうか。例え私がどんなに声を張り上げて『頑張れ!』と叫んだとしても、君に一文字も伝わらないかもしれない。それでも、君を応援している人がここに居ると伝える為だけに私は紫色の光を纏い、君を一目見るためにまた足を運ぶのだと思う。

 

私が描いた未来で、君が笑っているか分からないけれど、頑張り屋さんの君だからきっと幸せな未来がそこに待ってるよ。

もしかしたら、血が滲むような努力を続ける君に『頑張れ!』は少しおかしいのかもしれないね。だから私は『顔晴れ!』を伝えておきます。毎日沢山の幸せを、キラキラした夢をありがとう。君がこの先ずっと幸せでありますように。

 

17回目の誕生日、おめでとう。

 

 

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